根管治療
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  • 「根管治療」とは神経(正式には歯髄と言います)が入っていた管を清掃、拡大して一定の約束に従った形に整えたあと、根の先端まで、できるだけ緻密に封鎖していく治療の事をいいます。
     虫歯が神経にまで及んでしまった場合や、歯の根が病気になった場合などに根管治療が行われます。もちろん、神経を取る行為から、管の中に時おり薬を塗る行為も含まれます。簡単に言いますと、以上のようなものです。
      日本では「歯内療法」と言われることもあります。「歯内療法」となりますと、その言葉の意味範囲が広がります。そのため、今回は狭い意味での「歯内療法」、すなわち「根管治療」についていろいろ話を進めていきます。
     「根管治療」には「根管形成」と「根管充塡」いう過程が含まれます。「根管形成」は神経の管の形づくり、「根管充塡」は管の充塡(封鎖)行為を言います。
     「根管治療」に成功する最大のポイントは、「いかに緻密に根の先端部を封鎖できるか」にあります。

  •  それでは根管治療というのは通常の治療の中で、どういう位置にあるかということを説明しましょう。ふつう、虫歯にはその進行程度によってC1からC4という段階があります。図1は健康な歯です。C2までは虫歯の進行が象牙質にとどまっています。したがって、通常は神経、すなわち歯髄までは侵されていないわけです。もし歯髄まで虫歯が進行していきますと、当然これらは炎症を起こしますので、相当な痛みが現われます。炎症の広がりや強さによっては、この歯髄の特別な処置を必要とする事態に立ちいたってきます。神経を抜く行為を「抜随」と言いますが、この手順を経たあと、神経が入っていた管に根管充塡という治療を行うわけです。この処置が十分であれば根の先ではほとんど異常が起きません。適切な処置が行われず放置された場合、あるいは根管治療をしてもそれが十分でなかった場合に、炎症の広がりは根の先、すなわち骨の中へ進み、化膿炎症を起こしてくるわけです。こういうことのないよう根管治療が行われているはずです。
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  •  根管治療後、歯にはそれなりの欠損(歯の固い部分が失われること)が生じます。それを部分的に詰める(充塡)、あるいはそれでも補いきれない場合は、さらにその歯のほとんどを金属でかぶせる治療(歯冠修復又は補綴治療)を行って、本来の「咬合」に耐えられるよう歯の形を回復していきます。
     根管治療というのは歯冠修復、すなわちかぶせ治療の前に必要となる歯の基礎工事的な治療行為と言えます。

根菅治療は見えない場所の治療法

  • 根管治療には、歯科の一般的な治療と大きな違いがあります。
     それは他の治療はほとんど目で見える所で治療することが可能であるということです。 たとえ物体の裏側であっても鏡で反射させて見ることができるとか。他の分野の治療では、問題の個所が目の見えないところであっても、いろいろ調べたうえで病巣部を切り開いて手術を行います。 そのあと解剖学的にある程度修復すれば、生体の「自然治癒脳力」がその部分を望ましい状態に戻してくれます。肉とか血管、骨はこれらの範囲に含まれます。
     ところが根管治療というのは、細い根管の中で器具をいろいろ動かします。 特に歯肉から下は骨が埋まっている部分で、ほとんど目で見ることはできません。 おまけに"再生"しない象牙質という固い部分が対象となります。 通常はレントゲン・フィルムを唯一の頼りに、手探りの治療を行います。
     最近は根管長測定器の開発によって、根の長さなど測ることができるようになりました。 しかし、これを用いたからといって、すべての歯について厳正中立なデータを獲得できるとは限りません。根管治療では長さの測定をすることも必要ですが、どの方向にどの程度、根が屈折しているかを知ることも重要です。 さらに根管(神経を取ったあとの)は一度傷をつけたり、破損したりすると再生しません。 血管が通っていませんから、"自然治癒能力"が期待できないのです。 したがって、歯根を切り開いて中の治療をするということは不可能なわけです。骨に埋まった状態で治療するしか方法がありません。
     根管治療は視覚のみを頼りにするわけにゆかないのです。そこで触覚、指先の感度が重要な治療能力の一つになってきます。このことが他の治療法と異なることと言えるかもしれません。 さらにもう一つやっかいなことがあります。根管(神経がおさまっていた空洞)は固い象牙質で囲まれています。根管形成(根管を一定のデザインに形づくること)とは、あたかもつぼの内面を注意深く削り取ってゆくようなものです。 ある物を形づくっていくとき、当事者は最初に必ず、対象物の形をイメージとして頭の中に描きます。歯髄腔(神経が入っていた空洞=根管)は形あるものではありません。空間です。空間認識ができなければ、言い換えると、神経が入っている空洞を頭の中に描くことができなければ望ましい根管を形づくることはできません。もしこの能力が欠如した歯科医が根管治療をしたらどうでしょうか。切除器具が凶器となり、誤って根管に横穴を掘ってしまう事故を起こします。

  •  なぜ正しい根管治療が必要なのでしょうか。正しい根管治療をやむをえずできなかった場合でも、時には無症状に経過する場合があります。それはたまたまそういう結果になったわけで、すべての場合が無症状に経過してくれるとは限りません。多くの場合は問題が出てきます。とりわけ若年時(中学生、高校生、とりわけ小学生時代)に不十分な根管治療が行われた歯は根の先で病巣ができたり、根の先が溶けてきたりというような、なかなか治しにくい症状の悪化が、桁はずれて高頻度に現れます。これらの病名を総称して根尖性歯周炎、症状が進行すると歯根嚢胞と呼ばれています。
    根尖性歯周炎、歯根嚢胞を発症している歯に起こりうる症状として。
    • ・歯の根もとに相当する歯ぐきを押すと痛む。
    • ・歯が浮いた感じがする。歯がぐらつく。
    • ・咬んだり、歯を叩いたりすると痛む。
    • ・歯ぐきにおできができている。
    • ・疲労時に歯ぐきが腫れたり、歯がうずいたりする。
    などがあげられます。
     根尖性歯周炎、歯根嚢胞を発症し、根管治療が正しく行われなかった場合の主な症状です。 皆さんが抜歯を宣言された歯はどのような状態にあったでしょうか。多くの場合は根の先に病変があり、たびたび化膿を繰り返したような歯だったのではないでしょうか。多くの場合、根の先に膿みのふくろができでも、ほとんどの場合、抜歯の必要はありません。嚢胞(うみのふくろ)が大きくても保存可能な場合が大変多いのです。
  •  私は、マイクロスコープを使った事がありません。

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